ノロウイルスとは?

ノロウイルスとは、冬季に食中毒や性急性胃腸炎を起こす代表的なウイルスです。細菌性食中毒の多い夏とは異なり、冬の食中毒は特にノロウイルスが原因の多くを占めることはよく知られていす。ノロウィルスは1972年にアメリカの小学校で発生した急性胃腸炎患者便から発見されたものです。1997年5月に、食品衛生法改正で、食中毒病因物質に小型球形ウィルスが追加されました。さらに2003年8月に食品衛生法の病因物質は小型球形ウィルスからノロウィルスに改められました。ウィルス性食中毒のほとんどはノロウィルスが原因だといわれています。他のウィルス性食中毒と比べ、発生件数ではカンピロバクター菌・サルモネラ菌・腸炎ビブリオ菌などによる食中毒と、ほぼ並んでいますが、患者数ではダントツ一位です。このノロウイルスは 人間の生きた腸管細胞の中でのみ増殖できます。

ノロウイルスはここ数年で患者数が急激に増えており、生カキを食べることに起因する食中毒事例(ノロウイルスは、感染者の排泄物等に大量に含まれ、下水を通って河川に排出されると、海で貝類に取り込まれ濃縮されていきます。その汚染した貝類を生のまま食べると感染します。)がよく知られています。また、保育園や学校、病院や高齢者施設などでは、 ヒトからヒトへの感染や汚染された器具を介したノロウイルス感染症による急性胃腸炎の集団発生が起きているので注意が必要です。このような事例の発生時期はインフルエンザの流行期とちょうど重なることから、従来はこのような事例の多くは集団かぜ、胃腸カゼの集団発生として取り扱われてきていたようです。

ノロウイルスの潜伏期間と症状

ノロウイルスの潜伏期間(感染してから症状が出るまでの時間)は24〜48時間で、症状として一番多いは、予告なく突発的に始まる吐き気(気持ちが悪い)・嘔吐(吐いてしまう)です。下痢、腹痛を伴い風邪に似た症状ですが、発熱は軽度です。幼稚園、保育所、学校、福祉施設等で集団感染しやく給食で、ノロウイルスによる大規模な食中毒も発生しています。お腹にくる風邪とよく似た症状です。通常、これらの症状が1〜3日続いた後、治り後遺症もありません。ただし、体力の弱い幼児や老人は死亡する場合もあるので注意が必要です。ノロウイルスは下痢等の症状が改善した後も、1週間程度(中には1ヵ月程度)糞便などに排泄され続けるといわれています。また、感染しても症状が出ない場合や軽い風邪のような症状の場合もあります。この場合でも、ウイルスを排出していることが有ると言われています。ノロウィルスに効力のある薬剤がないので対症療法となりますので、免疫力の弱い乳幼児や高齢者は重症化しやすいので細心の注意が必要です。

ノロウイルスの感染経路とその予防

感染はウィルスに汚染された飲食物を口にすること(例えば、ウイルスを取り込んだカキ、アサリ、ハマグリなどの二枚貝を不十分な加熱で食べること)で感染します。また、ウイルスが付着した食品を調理した調理者の手指、器具から他の食品にウイルスが付着し(二次汚染)感染する場合 があります。また、 食品取扱者(食品の製造等に従事する者、飲食店における調理従事者、家庭で調理を行う者などが含まれます。)が感染しており、その者を介して汚染した食品を食べて感染する場合 があります。

そして、ノロウイルスはヒトの腸壁細胞に感染して増殖し、ウイルスが腸管内に放出されます。。ウイルスは感染者の糞便と共に排出されるほか、嘔吐がある場合は胃にわずかに逆流した腸管内容物とともに、嘔吐物にも排出されます。糞便や嘔吐物がごくわずかに混入した飲食物を摂取したり、汚物を処理したときに少数のウイルスが手指や衣服、器物などに付着し、そこから食品などを介して再び経口的に感染します。またノロウイルスの場合、少数のウイルスが侵入しただけでも感染・発病が成立すると考えられており、わずかな糞便や嘔吐物が乾燥した中に含まれているウイルスが空気を介して(空気感染で)経口感染することもあると考えられています。


ノロウイルスの感染経路は、ほとんどの場合、経口(口から体内に入ること)感染です。そのためノロウイルスの感染予防は、特に飲食物を扱う人が十分に注意を払うことによって、効果的な感染予防につながります。特に調理者が十分に手洗いすること、そして調理器具を衛生的に保つことが重要であります。ノロウイルスは、逆性石けん(塩化ベンザルコニウム)、消毒用エタノールには抵抗性が強いので、手洗いによって物理的に洗い流すことが感染予防につながります。

調理従事者は下痢や嘔吐などの症状が あるときは調理に従事しないことは勿論のこと、日頃から十分な手洗いとうがい、手袋やマスクの着用を習慣づけ、調理中は必要以上の会話を避けることが望ましいでしょう。また、ノロウイルスは85℃以上1分間以上の加熱によって感染性を失うため、特にカキなどの食品は中心部まで充分加熱することが食中毒予防に重要です。生のカキを扱った包丁やまな板、食器、フキンなどを、そのまま生野菜など生食するものに用いないよう、調理器具をよく洗浄・塩素系漂白剤による消毒、加熱することも大事なことです。

Copyright © 2007 ノロウイルスに注意しよう!