リウマチの治療薬とリウマチの遺伝、リウマチの出産・妊娠について
ほとんどの人が「リウマチ」という病名を聞いたことがあると思いますが、中にはお年寄りがかかる神経痛のことかなと答える人もいるようで、リウマチという病気は正しく理解されていないのが実状のようです。たしかに、これまで全身の関節や、関節周囲の骨、筋肉などが痛み、それらの機能に障害が起こる病気のすべては、原因不明のためにに漠然と「リウマチ」と呼ばれてきました。
「リウマチ」は正しくは「リウマチ性疾患」と言い、このリウマチ性疾患には、「関節リウマチ」を始めとし、「全身性エリテマトーデス」「痛風」「変形性関節症」など、多くの病気が含まれています。
これらの「リウマチ性疾患」には、関節や関節周囲の痛みがあるという共通の症状はありますが、この痛みを起こす原因として「免疫の異常」「代謝の異常」「細菌やウィルス感染」「外傷や加齢」「ストレスなどの心因性」がなど様々な原因があることがわかってきています。「関節リウマチ」に関しては、患者の血液中からリウマトイド因子という異常なたんぱく質が発見され、免疫の異常が原因であろうと考えられるようになりました。
ちなみに、関節リウマチの患者は全国で70万人と言われていますが、そのうちの80%は女性です。逆に風が吹いても痛いと言われるほどの激痛が走る「痛風」ですが、こちらは圧倒的に男性に多いそうです。
「リウマチ」の語源はギリシア語の「リューマ(流れ)」で、関節の痛みは、脳から悪い液が流れ出し、関節にたまって起こると定義づけられていたようです。「リウマチ」という病気は、古くから存在し人類の歴史とともに、今でもわたしたちを悩ませています。
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家系にリウマチの患者がいる人場合には、遺伝についての不安も大きいことと思います。それでなくとも、いまや全国で70万人を超える患者がいる病気ですから、自分が関節リウマチにかかりやすいのか気になる人はたくさんいると思います。
関節リウマチの原因として免疫の異常があげられます。関節リウマチの患者には、健康な人に比べてDR4というたんぱく質で作られたHLAという遺伝子を持つ人が多く、このHLA‐DR4遺伝子が免疫システムに異常を起こすのではないかと考えられています。「遺伝子」が関係しているとなると、ますます関節リウマチは遺伝病であると思ってしまう人もいるでしょう。
たしかに、一卵性双生児がどちらも関節リウマチになる確率は、二卵性双生児より高いことが分っていますし、関節リウマチ患者が多い家系もありますので、遺伝因子がかかわっていることは否定できません。しかし、遺伝的要因を持っているが全員発病するわけではなく、ウィルス感染やストレスなど、何らかの環境因子が加わって発病するわけですから、遺伝が必ずしも発病の決定的要因とはいえません。健康な人でもHLA‐DR4遺伝子を持っている人もいます。
関節リウマチの患者は、30〜50代の女性に多いこともあり、妊娠・出産への影響に悩む人も多いようですが、この病気を発症し、治療を受けている患者でも、医師の指示を守れば妊娠・出産に問題はないと思われます。妊娠を希望する場合には、胎児への影響を考え、原則としてリウマトレックス、イムラン等の抗リウマチ剤は使用できません。プレドニン、プレドニゾロン等のステロイド剤は胎盤で分解されるため、抗リウマチ剤や非ステロイドの抗炎症剤に比べて、胎児に影響がないとされていますので、ステロイド剤に切り替えての治療が一般的です。
薬によってはかなり早期から中止しなければならないものもあるため、そのタイミングについては早めに医師に相談する必要があります。また、授乳期間中の服薬についても、母乳を通じて赤ちゃんに影響が出ることもあるので、出産後の治療方針もよく相談してください。
関節リウマチに使われる薬のタイプは、「抗リウマチ薬」「非ステロイド抗炎症薬」「ステロイド薬」の3種類に大別されます。
関節リウマチは自己免疫疾患であると考えられるようになり、現在では早期から、免疫に働きかける「抗リウマチ薬」を使うようになっています。「抗リウマチ薬」は、免疫に働きかけ関節の炎症を抑え、病気の進行を抑えることができる薬ですが、痛みを鎮める働きや、即効的に炎症を抑える働きはありません。この薬は、服用開始後2〜3ヶ月後ゆっくりと効果があらわれる薬ですが、いったん効果が出てくると、長期間にわたって持続します。
「非ステロイド抗炎症薬」は、関節リウマチの治療によく使われる薬です。この薬には炎症を抑えるとともに解熱や鎮痛の作用があり、痛みを伴う病気の治療に広く使われます。薬を服用してから1〜2時間後という早さで効果があらわれ、炎症を抑える効果もありますので、初期あるいは軽度の関節リウマチ患者には、この薬だけで痛みが抑えられ、炎症が治まる場合もあります。ただし、炎症の進行や広がりを阻止したり、関節の破壊を止める作用はなく、あくまでも炎症による痛みを抑えるための薬なので、実際の治療では、抗リウマチ薬と併用して使うことが多くなっています。
非ステロイド抗炎症薬は、重い副作用を起こす頻度が高いことがわかっていますので、2剤を併用したり、1剤だけでも長期にわたって使い続けるのはよくないとされています。
「ステロイド薬」は、強力な抗炎症作用と免疫抑制の作用があり、劇的に痛みを抑える効果がありますが、大量に使ったり、長期にわたって使い続けると、重い副作用が出ることがわかっています。しかも急に薬を中止すると、リバウンドといって症状を悪化させることがありますので、血管炎や胸膜炎などの重い全身症状がある場合に限って、ステロイド薬が使われることが一般的です。ステロイド薬は効果が確実ですが、頼り続けると重い副作用が出ますので、医師に指示された服用法を必ず守ることが大切です。
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